
カルーセルは視覚的にユーザーの注目を引くUIパーツであり、Webサイトにおけるユーザーエンゲージメントを高める一方、SEOの観点からは注意すべき点がいくつかあります。特に、Googleの検索インデックスにおけるURLの統一(canonicalの設定)や、構造化データの正しい実装が重要になります。
本記事では、Google公式の情報をもとに、カルーセルを導入しているサイトが陥りがちなSEO上の問題点とその解決策を、以下の見出しに沿って詳しく解説します。
目次
- カルーセルとは?SEOへの影響を知る
- Googleが推奨するURL統一とカルーセルの関係
- カルーセル内のコンテンツはクロール・インデックスされるのか
- 構造化データでカルーセルを最適化する方法
- 重複コンテンツを回避するためのベストプラクティス
- カルーセルSEO対策チェックリスト
カルーセルとは?SEOへの影響を知る
カルーセル(carousel)とは、画像や記事などの複数のコンテンツをスライド形式で表示するUIパターンのことです。主に以下の用途で使われます。
- トップページやカテゴリーページの特集表示
- 記事一覧を横スクロールで見せる場合
- ニュースサイトの「話題のトピック」
一見便利に見えるカルーセルですが、JavaScriptで動的に読み込まれるコンテンツや、URLパラメータ付きのコンテンツ表示がSEO上の課題となることがあります。
Googleが推奨するURL統一とカルーセルの関係
Googleは、公式ドキュメントにおいて、**重複URLの統一(canonicalタグの使用)**を強く推奨しています。カルーセルでよくあるケースとして、次のようなURLが生成されることがあります。
/article?id=123&slide=1
/article?id=123&slide=2
このように、同じ内容を表示していてもURLが異なる場合、Googleはそれぞれを別のページとしてクロール・インデックスする可能性があり、重複コンテンツの評価低下に繋がります。
推奨される対応策
- 各スライドに一意のURLがある場合でも、canonicalタグでメインのURLを指定する。
- JavaScriptによって動的に変わるコンテンツには、クローラがアクセスできるようにする。
カルーセル内のコンテンツはクロール・インデックスされるのか
GooglebotはJavaScriptのレンダリングを行いますが、すべてのスライドが初期ロード時に表示されない場合、クロール対象外になることがあります。特に「スワイプしなければ表示されない内容」は、ユーザーにとって重要であっても、検索エンジンには伝わりにくいことがあります。
対策例
- 初期ロード時にすべてのスライドの内容をHTMLに含める。
- スライド内容をLazy LoadではなくPreloadで読み込む。
- 重要な情報はカルーセル外にも配置する。
構造化データでカルーセルを最適化する方法
カルーセルは「リッチリザルト」に表示させるための要素としても活用できます。Googleは「Top stories」や「レシピ」「コース」などのカルーセル表示を支援する構造化データとして、次のマークアップを推奨しています。
ItemList
ListItem
Article
やRecipe
など、対象に応じたSchema.orgのタイプ
実装例(ニュース記事のカルーセル)
jsonコピーする編集する{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "ItemList",
"itemListElement": [
{
"@type": "ListItem",
"position": 1,
"url": "https://example.com/news1"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 2,
"url": "https://example.com/news2"
}
]
}
構造化データを正しく設定することで、Google検索結果にカルーセル形式で表示される可能性が高まります。
重複コンテンツを回避するためのベストプラクティス
カルーセルは便利ですが、SEOを考慮しない実装はリスクとなります。以下のような施策を行うことで、重複コンテンツやクロール漏れを防げます。
rel="canonical"
の正しい指定- 各スライドが同一ページ内で完結する場合、URLを変えずに表示
- URLが異なる場合、hreflangやalternateタグの設定も検討
- JavaScriptの依存を減らし、初期HTMLに重要情報を含める
カルーセルSEO対策チェックリスト
チェック項目 | 実装状況 |
---|---|
canonicalタグの設定は正しいか? | □ |
構造化データは正確か? | □ |
JavaScriptに依存せず表示されるか? | □ |
スライド間のURLが統一されているか? | □ |
各スライドの内容はHTMLに含まれているか? | □ |
まとめ
カルーセルの実装は、ユーザー体験を向上させる反面、SEOでは重複URLの発生やクロールの問題を招きやすい要素です。Googleが公式に示している「URLの統一」に関するガイドラインを遵守し、canonicalタグや構造化データの適切な設定を行うことで、検索エンジンとユーザーの双方にとって最適なサイト運用が可能になります。
SEOを意識したカルーセルの実装は、コンテンツの見せ方と技術のバランスが鍵です。
必要に応じて、構造化データの実装サンプルやGoogle Search Consoleでの検証方法についての解説も追加可能です。ご希望があればお知らせください。