
Webサイトの運営やSEO対策において、「Last-Modified(ラストモディファイド)」というHTTPヘッダーの存在は、しばしば見落とされがちです。しかし、検索エンジンのクロール効率やページ評価に影響する可能性がある重要な情報です。
本記事では、「Last-Modified」の基礎知識からSEOへの影響、確認・設定方法まで、実践的に役立つ情報を詳しく解説します。
Last-Modifiedとは?基本概念を理解しよう
「Last-Modified」は、Webサーバーからブラウザ(もしくはクローラー)に対して返されるHTTPヘッダーの一種です。このヘッダーは、「そのリソース(HTMLファイル、画像、CSS、JSなど)が最後に更新された日時」を示します。
たとえば、次のような形式でレスポンスヘッダーに表示されます。
yamlコピーする編集するLast-Modified: Wed, 01 May 2024 10:00:00 GMT
この情報を元に、ブラウザや検索エンジンのクローラーは「前回取得したバージョンと異なるかどうか」を判断し、不要な再取得(リクエスト)を回避することができます。
Last-Modifiedの確認方法【開発者・運営者向け】
自分のWebページやファイルに「Last-Modified」ヘッダーが正しく設定されているかを確認する方法はいくつかあります。
1. ブラウザの開発者ツールを使う
Google Chromeなどのブラウザを使って確認するには:
- 対象ページを開く
- 「F12」キーで開発者ツールを起動
- 「Network」タブを選択
- 対象のファイル(document や image など)をクリック
- 「Headers」内の「Response Headers」を確認
ここに Last-Modified
が表示されていれば、そのファイルは更新日時がレスポンスに含まれていることになります。
2. curl コマンドを使って確認
開発者やエンジニアであれば、コマンドラインから以下のように実行して確認することも可能です。
nginxコピーする編集するcurl -I https://example.com/
結果の中に「Last-Modified:」が含まれていればOKです。
Last-ModifiedとSEOの関係性とは?
SEOにおいて「Last-Modified」ヘッダーがどのような影響を持つのか、多くのサイト管理者が気にしています。ここでは、その具体的な関係性を解説します。
クロール頻度の最適化
Googleのクローラー(Googlebot)は、更新があったページを優先的にクロールします。正確な「Last-Modified」情報があると、無駄なクロールを防ぎつつ、更新されたページを素早くインデックスさせることができます。
重複コンテンツのリスク回避
内容が変わっていないのに常に新しいと誤解される場合、検索エンジンが重複コンテンツと判断する可能性もあります。正確な「Last-Modified」の設定により、コンテンツの変更履歴を明確に伝えることができ、サイト全体の信頼性を高めます。
リッチリザルトやキャッシュ対策としての副次効果
検索結果に表示される「最終更新日」は、Last-Modifiedを参照しているケースもあり、ユーザーにとって新しい情報であるという印象を与える可能性があります。また、ブラウザのキャッシュ制御にも有効に機能します。
Last-Modifiedと併用される関連ヘッダー
「Last-Modified」だけでなく、以下のヘッダーと併用することで、より効率的なWeb配信が可能になります。
1. ETag(エンティティタグ)
ファイルの一意性を示すタグ。Last-Modifiedと同様にキャッシュ制御に使われます。両方を併用することで、キャッシュの整合性を保ちやすくなります。
vbnetコピーする編集するETag: "686897696a7c876b7e"
2. Cache-Control
キャッシュの有効期限を指定するヘッダーです。
arduinoコピーする編集するCache-Control: max-age=3600
Last-Modifiedの設定方法(Apache/Nginx)
Apacheでの設定
Apacheでは、サーバーがファイルのタイムスタンプを自動的に「Last-Modified」として返します。静的ファイルであれば特に設定不要ですが、PHPなど動的コンテンツの場合は明示的に指定する必要があります。
phpコピーする編集する<?php
$lastModified = gmdate("D, d M Y H:i:s", filemtime("index.php")) . " GMT";
header("Last-Modified: $lastModified");
?>
Nginxでの設定
Nginxでも静的ファイルは自動的に対応しますが、必要に応じて以下のように明示的な設定が可能です。
nginxコピーする編集するlocation / {
add_header Last-Modified $date_gmt;
}
Google Search Consoleで更新状況を伝える方法
「Last-Modified」だけではGoogleが確実に更新を認識するとは限りません。より確実に伝えるためには、Google Search Consoleの「URL検査」ツールを利用し、更新を通知することも重要です。
また、サイトマップ(sitemap.xml)内に <lastmod>
タグを含めることで、更新日時をGoogleに知らせる手段としても有効です。
xmlコピーする編集する<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2024-05-01</lastmod>
</url>
まとめ:Last-ModifiedはSEOの基礎インフラ
「Last-Modified」は、一見地味ですが、SEOの効率化やユーザー体験の向上に大きく貢献するヘッダーです。正確に設定・運用することで、Googleのクロールを最適化し、サイト全体のパフォーマンス向上につながります。
定期的に「Last-Modified 確認方法」を実践し、意図したタイミングで更新が反映されるかをチェックしましょう。